■チーム全得点の4割に絡んだルキアン
7月3日の21節を最後に、DF伊藤洋輝がシュツットガルト(ドイツ)へ期限付き移籍した。3バックの一角を担うレフティの離脱は痛かったはずだが、伊藤槙人の補強で素早く穴埋めをした。
アタッカーでは金子翔太を迎え入れ、攻撃のオプションを担保した。昨シーズン9得点の小川航基がケガなどで1得点に止まり、同8得点の中野誠也は大宮へ移籍していたものの、J2最高クラスの攻撃力を備えることができていた。
攻撃ではルキアンが覚醒した。昨年の10得点から22得点(39節終了時)までゴール数を伸ばし、アシストもチーム首位タイの「7」を記録した。チーム総得点の4割に関わっている。
選手個人にスポットライトを当てれば、遠藤保仁がクローズアップされることが多い。41歳の鉄人は32試合に出場して3得点を記録した。パスワークの中心となり、アシストのひとつ前の崩しのパスも絶妙だった。その貢献度は数字では表せないものがある。
遠藤とダブルボランチを組んだ山本康裕は、チーム最長のプレータイムを記録している。クラブ生え抜きの32歳は遠藤とともにゲームをコントロールし、シーズンを通してチームを支えた。
ここまでチームで唯一全39試合に出場している鈴木雄斗も、貢献度は高い。移籍1年目ながら左右両サイドの複数ポジションをこなし、7得点7アシストを記録している。戦術の肝となったひとりと言ってもいいだろう。
数字を残した意味では、山田大記の名前もあげられる。背番号10はキャリアハイの10ゴールをマークし、勝利につながる価値ある得点もあげた。2シャドーの一角を担う彼が得点能力を発揮したことで、相手守備陣は難しい対応を迫られることになっただろう。
すでにJ1昇格を決めたが、大井健太郎は「もっと大きな喜びをみんなで味わえるように頑張っていきたい」と話す。J1昇格とともにJ2優勝を勝ち取るために、磐田は残り3試合に全力を注ぐ。
2位の京都サンガF.C.も勝利を収めたが、今節のJ1昇格決定は持ち越しとなった。こちらは最短で次節にも、自力で2位以内を確定できる。