■中山、浅野、古橋、柴崎投入も得点の予感せず!
それにしても、である。
森保一監督が協調する連携や連動による崩しは限られた。飛ばしのパスやワンタッチパスが少ないために相手のスライドが間に合ってしまい、システムのギャップを生かし切ることもできない。
森保一監督は63分に長友佑都と南野を下げ、中山雄太と浅野拓磨を送り出した。75分には大迫と田中碧が退き、古橋亨梧と柴崎岳が登場する。浅野と古橋は持ち前のスピードを生かし、中山は浅野に好パスを配球した。柴崎はチームに足りなかったミドルシュートを放ち、決定機を生み出した。選手交代はそれなりに機能していたが、得点の予感が強くなったとは言い難い。
これまで同様に、時間がなかったのは間違いない。その一方で、18年9月のチーム結成から、3年以上の月日が経っている。コロナ禍で強化の針が止まった時期もあったが、森保監督のもとで戦った試合数は「40」を超える。日本代表と東京五輪世代を、1チーム2カテゴリーで強化してきたのだ。
選手交代による変化にとどまらず、スコアや時間帯に応じたチームとしての戦いかたの変化があっていいはずだ。CKやFKのバリエーションも、本来なら手元にあるべきである。
そうしたことを踏まえると、1対0の勝利に歓喜も安堵もない。「最低限の結果」を残したに過ぎないととらえるべきだ。