■勝てなかったが、負けもしなかった

 まずは守りきる、という割り切りをした広島の戦い方は、湘南にとってやりにくいものになった。3バックの左右がアタッキングサードまでボールを運べるものの、そこからが進まない。ウイングバックを使ってクロスを入れても中央をしっかり固められている状態では弾き返されてしまい、ボールはセンターバック、ウイングバック、センターバック、ボランチ、のように動いてそこから逆のサイドで同じことが繰り返される、という手詰まりの状態になってしまった。

「前半にはボールホルダーのタッチが多過ぎて、パスを出しても各駅停車になってしまった」(山口監督)のは「ウチのチームには日頃あまり経験がない状況」(同監督)だったからだが、その状況に持ち込めたのはあそこで抗議をしてしっかり時間をとり、試合が再開してもバタつかなかったことが大きい。

 後半は田中聡が中央から、途中投入された畑大雅が左から、山田直輝が右から、それぞれ縦への積極性を見せて湘南がフィニッシュの場面まで進むことが増えたものの、林卓人を中心に集中して守り通した広島がスコアレスドローに持ち込んだ。

高山啓義主審の説明を受ける柴﨑晃誠 湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島(20211107)撮影/原壮史

 勝てなかった湘南だが、0ではなく1ポイントを得たという部分を考えればポジティブな結果だ。これで降格圏との勝ち点差は3となり、得失点差で残留を争う他のチームよりも14以上優れている湘南は、1回負けても逆転されない、という有利な状況でベガルタ仙台徳島ヴォルティスとの6ポインターを迎えることになった。

 

■試合結果

湘南ベルマーレ 0-0 サンフレッチェ広島

PHOTO GALLERY 湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島 20211107
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