【J1分析】前半16分「ビジョンに写し出されたプレー」へのそれぞれの思い【湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島】「退場の場面で両チームが見せたプロらしさ」(1)の画像
高山啓義主審に抗議する広島の選手たち 撮影:原壮史
湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島 20211107

【明治安田J1リーグ 第35節 湘南ベルマーレvsサンフレッチェ広島 2021年11月7日 15:03キックオフ】

「勘弁してくれぇ!」

 ゴール裏の広島サポーターの懇願がスタジアムに響き、スタジアムが思わずドッと沸いた。そこにいる誰もが、おそらくは心の声が漏れてしまったその本人でさえ、それは無理だとわかっていた。広島の選手たちは高山啓義主審を囲んで猛抗議を続けたが、ついにレッドカードが提示された。柴崎晃誠が退場となった広島は、試合の4分の3以上を10人で戦うことになった。

 16分、湘南のボール回しの中で平岡太陽のパスが中途半端になると、ルーズボールになった状態のそれに山本脩斗と柴崎晃誠が反応。先にボールに触れることができた山本は、右足で優しく浮かせて滑り込んでくる柴崎をかわそうとした。柴崎はボールが浮いたところでカットしようとしたものの、それが足を上げて山本に突っ込んでしまうことになり、しかも足裏で膝下を蹴ってしまった。VARが介入し、高山主審によるオンフィールドレビューを経て柴崎にはレッドカードが提示されることになった。

真っ先に行動を起こした湘南ベンチ。山口智監督が石原広教と谷晃生に数的有利の状態での戦い方を伝える 湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島(20211107)撮影/原壮史

 Jリーグは中継だけでなくスタジアムでも大型ビジョンでVARの対象となった映像を流すようにしている。今回はボールを巡る争いだったこともあり、何があったのかがハッキリと映っていた。両チームのサポーターも選手も、それを見てすぐにレッドカードが出されることを察した。

PHOTO GALLERY 湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島 20211107
  1. 1
  2. 2
  3. 3