【明治安田J1リーグ 第35節 湘南ベルマーレvsサンフレッチェ広島 2021年11月7日 15:03キックオフ】
「勘弁してくれぇ!」
ゴール裏の広島サポーターの懇願がスタジアムに響き、スタジアムが思わずドッと沸いた。そこにいる誰もが、おそらくは心の声が漏れてしまったその本人でさえ、それは無理だとわかっていた。広島の選手たちは高山啓義主審を囲んで猛抗議を続けたが、ついにレッドカードが提示された。柴崎晃誠が退場となった広島は、試合の4分の3以上を10人で戦うことになった。
16分、湘南のボール回しの中で平岡太陽のパスが中途半端になると、ルーズボールになった状態のそれに山本脩斗と柴崎晃誠が反応。先にボールに触れることができた山本は、右足で優しく浮かせて滑り込んでくる柴崎をかわそうとした。柴崎はボールが浮いたところでカットしようとしたものの、それが足を上げて山本に突っ込んでしまうことになり、しかも足裏で膝下を蹴ってしまった。VARが介入し、高山主審によるオンフィールドレビューを経て柴崎にはレッドカードが提示されることになった。
Jリーグは中継だけでなくスタジアムでも大型ビジョンでVARの対象となった映像を流すようにしている。今回はボールを巡る争いだったこともあり、何があったのかがハッキリと映っていた。両チームのサポーターも選手も、それを見てすぐにレッドカードが出されることを察した。