サッカーあるところ、蹴球放浪家・後藤健生あり。日本が初めて戦った世界大会も、当然目に焼きつけてきた。アフリカでも、その観察眼は磨かれた。
■アフリカの空港にはない「しきたり」
さて、ホテル専属の運転手の車に乗って、まずADカードをもらって、それから空港に向かいました。
ラゴスの空港は国際線も国内線も同じ滑走路を使っているのですが、空港の西側に近代的な国際線ターミナルがあり、東側に国内線の第1と第2ターミナルがあり、空港の外を大きく迂回しないと互いに行き来できない構造になっています(福岡空港と同じですね)。で、運転手は僕を国内線第2ターミナルの航空会社のオフィスに連れて行ってくれました。
さて、国内線の第2ターミナルに着きました。舗装もしていない凸凹の空き地にプレハブ小屋のような航空会社のオフィスが建ち並んでいるのです。まるで、田舎町のバス・ターミナルです。
車が止まると各航空会社の客引きが寄ってきましたが、僕はカボ航空のオフィスに行って航空券を作ってもらおうとしました。昔の航空券って、覚えてますか? 赤いカーボン式のペラペラの紙が4枚くらい束になっているタイプの航空券です。それに手書きで僕の名前などを書き込んでいくのですが、見ていると日付に「4月2日」と書き込んでいます。
「ちがう、ちがう。今日ではなく4日に飛びたいのだ」と行っても、彼らは怪訝そうな顔をしています。そうです、ここには「予約」というシステムがないのです。乗客は、旅行をする当日にこのオフィスにやって来て、その場で現金を支払って航空券を作ってもらって、そのまま搭乗するという仕組みなのです。