■サイドバックをこなしたFW
今季の川崎で、旗手は重要な役割を担っていた。その働きぶりは、何かひとつのフィールドに絞り込まれないものだ。
今季最初の公式戦のピッチに、プロ2年目の旗手は当然のごとく先発として立っていた。だが、その「立ち位置」は、やや奇妙に映るものだった。
クラブの公式ホームページに、旗手のポジションは「FW」と明記されている。ルーキーイヤーだった昨年の開幕戦でも、同期の三笘薫と同時に投入され、ともにウィングの位置に入った。左サイドの三笘に負けず、ミサイルのような突進を披露していた。
そのアタッカーが、今年2月20日のFUJIゼロックスカップでは左サイドバックとして先発した。昨季終盤に経験はあったが、あくまで一時的なことだと思われていた。
しかし、サイドバックのポジションが、しばらくは旗手の定位置となった。4月に入り中盤に戻ることもあったが、その後もサイドバックに入る機会も訪れていた。