■「勝ち切れる強さ」を身に着けられるか

 伊藤は、その具体的な手応えを語り、「最初の(3月の)対戦では相手の長所を押さえられなかった。守備で耐え切れずに5失点してしまい、(当時の)自分たちは何もできなかったという感想だった。今日の試合は、相手の時間帯も多くあったが、守備もしっかりと整理されて、耐えるべきところは耐えることができた。攻撃も、1年間をとおして、ゴールキックからつなぐところ、ビルドアップ、ゴール前まで運んでシュートで終わるという形が多くなってきているので、そういうところは成長していて、川崎を相手にしても通用する部分だと思う」と話した。

 また、ベテランのGK西川周作も、「今日も(失点後に)これ以上の失点はしないようにとマネジメントしていたし、勝つという姿勢を見せ続けるようにした」と、あくまでも勝ちにこだわっていたと明かし、「リカ(監督)のサッカーはトライを忘れずに、ミスをみんなでカバーし合うスタイル。チーム全体にもそういう雰囲気があり、実際に結果も出てきている」と、チームの状況を分析した。

 それでも、伊藤が「かなり手応えも感じたが、勝たないと意味がない。来年、しっかりと川崎に勝てるようにしたい」と話すように、あとは勝ち切れる強さが必要だ。

 リーグ2連覇を達成した敵将の鬼木達監督は、優勝後の会見で、このような発言をした。

 「気持ちだけでは勝負に勝てない。経験も必要だし、我慢する時期もある。選手たちを信じ、失敗しながらも成長してきた」 

 この1年間、浦和がリカルド監督の下で積み上げてきたものは、確実に力になっている。それは今節、土壇場で追いついた結果を見ても明らかだ。来季こそ、打倒・川崎。そのためには、鬼木監督の言葉を借りれば、これからも自分たちのスタイルを信じ、経験を積み上げていくことで成し遂げられることなのだろう。

 ところで、浦和と川崎は、互いに天皇杯の準々決勝に進出している。リーグ戦が終了したあとに行われる準々決勝では異なる相手と対戦するが、もし両者が勝ち進めば、決勝で対戦することになる。

 西川は、「川崎が相手の時には、ボールを奪い返した時がチャンスで、(相手を)一つはがして展開できれば(ゴールを)狙える。戦術がどうこうというよりも、球際やセカンドボールのところで、相手よりも半歩早くという気持ちで全員で強くやらなければいけない。天皇杯(決勝)で当たったら、今度はしっかりと勝って、シーズンを締めくくりたい」と、再戦のリベンジへと意欲を燃やした。

 

■試合結果

川崎フロンターレ 1―1 浦和レッズ

 

■得点

33分 ジェジエウ(川崎フロンターレ) 

89分 酒井宏樹(浦和レッズ)

  1. 1
  2. 2
  3. 3