■「シュヴィルツォク劇場」だった大邱戦
名古屋はACLでも準々決勝に進出したが、9月14日に行われたラウンド16での大邱FCとの試合も、激しい、“喧嘩サッカー”だった。
試合開始わずか4分で、最も警戒すべきセシーニャに対して中盤での寄せが甘くなってミドルシュートを決められて先制を許し、一度はヤクブ・シュヴィルツォクのゴールで追いついたものの、28分には相手のトップ(エジガル)に対して、CB2人の寄せが甘くなって再びリードを許してしまう。どちらも、守備の堅さを売りとする名古屋としては許されない失点だった。
こうして、1点をリードされて迎えた後半はシュヴィルツォク劇場だった。63分、65分の連続ゴールで勝ち越すと、さらに79分にはCKから中谷進之介がヘディングで決めて4対2と勝利。名古屋は「ウノゼロの美学」とはまったく逆の、4対2というスコアで準々決勝進出を決めたのだ。
つまり、2つのカップ戦で名古屋が勝ち進むことができたのは、守備の安定によるのではなく、点の取り合い=“喧嘩サッカー”によるものだった。