■名手を輩出してきたラ・マシア
バルセロナで10代の選手たちが躍動している。トップチームで出場機会を得られるようになって、彼らが急成長したのか。あるいは、偶然にも才能のある選手が一挙に集まった「黄金世代」であるのか。答えは、その両方だ。
「ラ・マシア」は、世界にその名を知られるバルセロナの育成組織だ。バルセロナの育成寮の名前であるが、バルサの育成力と若きタレントを語る上で、たびたびクラブの代名詞的に用いられるワードである。かつてはジョゼップ・グアルディオラ、シャビ・エルナンデス、カルレス・プジョール、ビクトール・バルデスといった選手が、このラ・マシアから出てきたプレーヤーとして大きく取り上げられた。
ただし、カンテラーノ(下部組織出身選手)だからという理由で、バルセロナのトップチームで特別に優遇されるわけではない。グアルディオラ監督の下、4年間で14個のタイトルを獲得したチームで主力を務めたシャビやアンドレス・イニエスタでさえ、最初は苦しんでいた。
シャビは1998-99シーズン、ルイ・ファン・ハール監督の下でトップデビューを飾っている。だが、そのシーズンはBチームとトップチームを「行き来する」日々を送り、レギュラーポジションを奪うには至らなかった。