【J3分析】一瞬で繰り出された柏木の「完璧な精度」アシストFK【アスルクラロ沼津VSFC岐阜】「岐阜の柏木陽介」(2)の画像
先制ゴールを喜ぶ柏木陽介 撮影:原壮史
アスルクラロ沼津VSFC岐阜 20211031

【明治安田生命J3リーグ 第25節 アスルクラロ沼津vsFC岐阜 2021年10月31日 13:03キックオフ】

※その1はこちらから

 しかし、岐阜が42市町村をホームタウンとしていることから、決意と感謝の気持ちを背負って戦う、という意味で背番号に42を選んだという彼は、チーム全体が思い通りにいかないこの状態で何かできることはないのかと模索することを諦めなかった。

 自身として絶好のタイミングでパスを出そうとした時にチームメイトのタイミングが合わず持ち直しても、その後には不満そうにするのではなく「あーゴメン!」と声をかけて気遣いながら、ことあるごとに身振り手振りを交えて動き方の確認を繰り返した。

 そして、この状態でできること、の答えはゴールとなって表れた。

 26分、岐阜は沼津陣内に入ったところでフリーキックを獲得。

 それまでに2度、低い位置からのフリーキックがあったが、その時はディフェンダーの攻撃参加を待ちながら柏木はゆっくりとスポットに向かい、主審の笛で試合が再開していた。

 ところがここではボールの近くにいた柏木がクイックリスタートで一気にペナルティーエリア内へロングボールを送った。スピードも精度も完璧なボールが走り出していた深堀に届き、ヘディングで先制ゴールが決まった。

プレー中でもボールではなく前を見る柏木陽介 沼津VS岐阜(20211031) 撮影/原壮史

 この攻撃は、相手の影響を受けながらのプレーを強いられる状況、から外れたものだった。それが可能になる希少な機会を逃さなかったのは、柏木の判断力と抜群のキック、そして「アイコンタクトで抜け出せた」(深堀)という不断のコミュニケーションがあったからだった。

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