記録はオウンゴール、旗手怜央、脇坂泰斗と3つに分かれたが、3つのゴールとも脇坂のもののようなものだった。
1点目は32分、脇坂のコーナーキックが鹿島の町田浩樹に当たって入った。一度はマルシーニョのゴールと掲示されたが、オウンゴールに修正された。
2点目は48分、脇坂が角度のないところから狙った左足の強いシュートだった。それを旗手が頭で触ってコースを変えてのゴールだった。
「マイナスで受けて、ボク自身はフリーだった。打てば入る。何か起こると思った。あまりあそこから打とうと思わないけれど、ひらめいて打ちました。玲央の首が太くてよかった」と脇坂は笑った。
3点目は51分、ついにという感じで脇坂が思い切り左足を振り抜いて豪快にネットを揺らした。
鬼木達監督は脇坂をこう評した。
「彼の特徴はゴールに絡むこと。普段から良いプレーをしているが、結果を残した。あとは強度のある相手にどれだけできるかが課題だが、すばらしいプレーをしていたと思う。自信をもって続けてほしい」
鹿島はクラブ創設30周年の節目に欲しかった最後のタイトル獲得のチャンスを逸した。鹿島は今年3度目の対戦でも川崎に勝つことはできなかった。完敗だった。
準決勝に進出した川崎は12月12日に磐田を破った大分と対戦する。