■大会に集った未来のスターたち
スティールドラムは金属的な、それでいて温かみのある響きの楽器ですが、さて、これで「君が代」が演奏できるのでしょうか? 僕は「大丈夫なのかなぁ」と疑いの目で見ていました。
しかし、実際にはスティールドラムによる「君が代」はとても素晴らしい演奏だったので、このスティールドラムという楽器の持つ“底力”のようなものを感じたというわけです。
この時の日本代表には矢野貴章や藤本淳吾、成岡翔などがいましたが、初戦のアメリカには1対0で競り勝ったものの、ナイジェリアには0対4、フランスには1対5と大敗してグループリーグ敗退となってしまいました。もっとも、フランスはこの大会で優勝。ナイジェリアも準優勝国だったのですから、日本にとっては組み合わせが不運だったということもできます。
フランスではフローラン・シナマ=ポンゴルやアントニー・ルタレクが期待の若手として扱われていましたが、彼らは結局あまり大成しませんでした。豪華だったのは4位に入ったアルゼンチンで、カルロス・テベスやマキシ・ロドリゲス、ハビエル・マスチェラーノがプレーしていましたし、スペインはグループリーグ敗退に終わりましたが、アンドレス・イニエスタやフェルナンド・トーレスがいました。