日本初の挑戦がスタートした。女子プロリーグ、WEリーグの開幕である。Women Empowerment(女性に力を)の略を名称としたリーグは、日本の女子サッカーにどんな影響を与えるのか。サッカージャーナリスト・後藤健生が新生リーグを深く見つめる。
WEリーグが経営的に成功し、永続できるリーグとなるためには、観客動員の拡大が急務である。
WEリーグは観客数の目標を5000人としているというが、現状はそれを大きく下回っている。
開幕節の好カードだったベレーザ対浦和の試合では東京・味の素フィールド西が丘に2427人が集まり、さらに第2節では大宮アルディージャVENTUSがホーム開幕戦となったアルビレックス新潟戦に3419人を集め、同日に行われた浦和レッズ対ノジマステラ神奈川相模原の試合にも3256人が集まった。
いずれも、「開幕」ということで各クラブが観客動員に力を入れた結果だった。だが、それでも目標の5000人には遠く届いていないのが現実だ。INAC神戸対ベレーザという好カード(ノエビアスタジアム神戸)でも、入場者数は2372人だった。
記念すべきWEリーグの開幕が、ちょうど新型コロナウイルス感染症拡大の第5波とバッティングしてしまい、入場者数の制限を受けたという不運もあった。しかし、スタジアムの収容者数の50%という制限が懸かっていたとしても、ほとんどのスタジアムで5000人は入場可能ではあるのだが、やはり感染拡大の最中では観客の足をスタジアムに向けさせるのは容易なことではなかっただろう。
今後、よほどの努力を積み重ねなければ、「5000人」という観客動員の目標が達成できるとは思えない。