■明らかに強まった「勝負にこだわる姿勢」

 さて、リーグ戦ではINAC神戸、浦和レッズレディース、日テレ・東京ベレーザの3強が上位を占めている。

 現在、日本の女子サッカーの層は間違いなく厚くなっている。2011年に日本代表がワールドカップで優勝した当時、代表クラスの選手とその他の選手のレベルの差はきわめて大きく、当時のなでしこリーグ1部でも、下位チームはとうてい上位に対抗できないレベルのサッカーをしていた。

 だが、プロ化されたことによって“勝負にこだわる姿勢”はたしかに強くなっている。つまり、中堅レベルのチームが上位相手に非常に粘り強く戦うようになっているのだ。

 ベレーザが出遅れているというのも、中堅どころに粘られて苦戦しているという理由もありそうだ。

 つまり、技術レベルの高いベレーザが当然のことながらボールを保持して、パスを回して攻撃をしかけるのだが、相手チームは守備を固めて抵抗する。その「抵抗」の絶対値が昨年までより強くなっているので、「パスは回るのだが、なかなかゴール前でシュートの形が作れない」という現象が起こってしまうのだ。

 その分、これまでならパスを使って相手を完全に崩して得点を重ねることが多かったベレーザだが、今シーズンはロングボールやカウンターといった形での得点が増えている。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5