■マイナス要素が大きい「上位チーム」との対戦
仙台の残り試合の顔合わせには、さらなるネガティブな要素もある。上位チームとの対戦が、他よりも多いのだ。
残留争いをするグループと同様に、上位グループも定義づけしてみる。首位の川崎フロンターレと追う2位の横浜F・マリノスは抜け出した状態にあるが、来季のACL出場権が懸かる3位争いは熾烈だ。
現状では、勝ち点57で並ぶ3位のヴィッセル神戸と4位の名古屋グランパスから5位の浦和レッズまで、勝ち点3差にひしめいている。残留争いと同様、川崎と横浜FMに加えて、今節の試合で立場が入れ替わり得る一群として、ここまでを「上位チーム」としておく。
再び残留争いをするチームに目を転じる。相手を踏み台にする、あるいは引きずり下ろすという直接対決のプラスの効用はすでに述べたが、上位チームとの対戦ではマイナスの要素の方が大きい。もちろん、今季第16節で仙台が名古屋を1-0で下したように、勝利の可能性がないわけではない。だが、残留を争う状況では、よりシビアに勝ち点を計算していく必要がある。
残留争いをする5チームで、そのネガティブな要素をはらむ上位チームとの対決を最も多く抱えるのが仙台だ。第34節に神戸、第35節に名古屋と顔を合わせる。残留争い直接対決が少ないことと合わせ、一番厳しい状況にあると考えられる。