2021シーズンのJ1リーグは、佳境へと突入していく。それぞれのチームが求めるゴールへと向かって、さらなる加速を狙うこととなる。
ACLの出場権をめぐる3位争いなど上位ももつれているが、J1残留争いも相当に熾烈だ。昨季はコロナ禍での特別なレギュレーションで降格がなかった分、今季は4チームがJ2へと自動降格する。例年以上に過酷さの色合いが濃いのだ。
天国と地獄を分ける生き残りのポイントはどこになるのか? どのチームが危ないのか? これまでのJリーグでの戦いぶりから、サバイバルレースの行方を占う。
シーズン終了後、世界を隔てる一本の線が引かれる。その上に立った者は生き延び、そこに手がとどかなかった者は涙をのむ。それが「J1残留ライン」だ。
今季は17位以下の4クラブが、J2へと降格とする。ここ数年の間だけでもレギュレーションの変遷はあったが、降格があった直近シーズンである2019年も、17位以下は自動降格だった(16位はJ1参入プレーオフに出場)。つまり、17位のチームが獲得する勝ち点が、残留と降格を分ける大きな指標となる。過去を振り返り、このサバイバルレースのゴールラインを導き出してみる。
直近5シーズンを振り返ると、最も高いレベルで残留が争われたのが2018年だった。注目すべきは、18位のV・ファーレン長崎とともに自動降格となった17位の柏レイソルが重ねた勝ち点だ。柏はリーグ戦全34試合で12勝を挙げ、39もの勝ち点を積み重ねていた。
2018年シーズンと同じく18チームで争われた昨季を振り返ると、12位の北海道コンサドーレ札幌が「勝ち点39」だった。通常ならば、余裕で残留できるだけの勝ち点だったと言っていい。
一方で、過去5年で最も勝ち点が少ない17位チームが、勝ち点27の湘南ベルマーレだった