【日本代表vsオーストラリア代表 10月12日】
森保一監督はゴール裏のサポーター席の前まで歩いてくると、両手を口に持ってきて、叫んだ。
「応援ありがとうございます」
14437人。追加発売されたチケットは完売していた。スタジアムに向かうバスも運行された。日本のスタジアムでこの数字は多く感じる時代だ。
「厳しい戦いでしたが、最後の最後まで選手が勇気をもって踏ん張って戦えたのはサポーターのみなさんの後押しがあってこそだと思ったので、サポーターの皆さんにお礼を伝えました。これからワールドカップの出場権をつかみ取るために、まだまだ厳しい戦いが続きますので、一緒に戦ってください。そして、カタールのワールドカップに一緒に行きましょう、と」
首の皮1枚と言われた森保日本のオーストラリア戦は、17分、田中碧の先制ゴールという明るい材料でスタートを切ることができた。ちょっとした安堵感がスタジアムを包んでいた。
だが、アダム・タガートやトーマス・ロギッチのシュートが日本ゴールを襲った。
後半、ペナルティの判定はVARチェックの後、フリーキックに変わったが、そのFKをアイディン・フルスティッチにゴール左隅に決められてしまう。1-1。
「引き分け?」の不安。
86分、切れ込んだ浅野拓磨のシュートは相手のオウンゴールを誘った。
誰が入れたかは重要ではなかった。タッチラインでは日本の選手たちが歓喜の中で優勝でもしたように重なっていた。
日本は4戦して2勝2敗の勝点6で4位。上にはサウジアラビア(勝点12)、オーストラリア(勝点9)、オマーン(勝点6)がいる。