■左サイドバックの山中と明本については「2人とも非常に良い」

 浦和の先制ゴールのシーンでは、左SBで久しぶりの先発となった山中がアシストを決めたが、直近の試合ではMF明本考浩の起用が続いていた。

 山中は、第1戦の試合後の会見で、「自分に求められていることは違いを出すこと」と話していたが、リカルド監督は山中と明本の両選手について、

「2人ともアップダウンができる選手。我々のチームはどちらかというと左SBの方が高いポジションを取るスタイルで、山中は久々にプレーしたが、アシストしたことはとてもうれしく思う。彼は出した指示をしっかりと実行してくれる選手。

 明本にも似た部分はあるが、山中の特長はアグレッシブさや守備の強さ、シュートにもあると思っている。2人とも非常に良く、ピッチに立って高いレベルを見せてくれたと思います」

 と、サイドアタックを重視するスタイルを改めて強調したうえで、第1戦での2人のプレーを絶賛した。

 一方、高い位置を取る左SBに対し、直近の浦和の右SBは今夏に移籍してきたDF酒井宏樹が務め、攻守のバランスを意識したプレーでチームに貢献している。酒井は現在、ワールドカップアジア最終予選の代表メンバーに招集されているため、チームを離れているが、準決勝の第1戦は右SBをDF西大伍が務めた。

 リカルド監督は、報道陣から西について、「西選手のところで攻撃のスピードが上がりきらない印象があったが、監督はどう考えているか」と問われ、

「西は非常に良いビルドアップを持っていると思っているので、彼一人の問題ではない。たとえば、第1戦では大久保(智明)があまり慣れていない右サイドでプレーする中、西にボールが入った際に時々(ボールを)止めたりしていたが、それにも理由があったはず。

 彼だけの問題ではなく、チーム全体のポジショニングの問題であり、チームとしてもっとボールスピードを上げていかなければならない。リズムを変える、いつ加速するのか、いつタメを作るのかというところの判断だと思います」と、C大阪戦の第1戦を受けての課題についてはあくまでもチームの改善点として捉える姿勢を見せた。

(2)へ続く
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