■思い起こされる準々決勝・川崎戦の記憶

 浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、試合後の会見で「満足のいくスコアではないが、全体的に見れば、ポストに救われるシーンもあったので、1-1で終われたことは次につながるものとして、ポジティブに捉えている」と、第2戦への望みを託した。

 ゴールを決めたユンカーも、「特に後半は足りなかった部分もあるし、ホームでしっかり勝ちたかった」と話したが、「今日だけではなく、今後もゴールを取り続けたい。(準々決勝の)川崎戦と同じ展開なので、2戦目は勝ちに行きたい」と、リベンジに燃えていた。

 浦和にとって、今回の内容や結果は、奇しくも、準々決勝の川崎戦とまったく同じ。リーグ王者の川崎を相手に、準々決勝の第1戦もホームで先制しながら、同点に追いつかれてしまった。アウェーゴールが必須となった第2戦も先制するが、相手の連続得点で苦しい展開となる。それでも、試合終了間際にDF槙野智章のゴールが決まり、アウェーゴール差によって土壇場で準々決勝を突破したことは記憶に新しい。あの時の粘り強さを今一度チームで共有すれば、良いイメージを持って第2戦に臨めるだろう。

 さらに、浦和は8月29日に行われた湘南戦でのスコアレスドローを最後に、ここ1か月ほどは無得点の試合がない。誰か一人の力に頼るわけでもなく、それぞれの選手がコンスタントにゴールやアシストを決めているのも大きな強みだ。

 第2戦は10月10日にC大阪のホームで行われるが、浦和の決勝進出のためには、次戦でのアウェーゴールが必要になる。

 思えば、準々決勝の川崎戦の第2戦で、後半に1-3とリードされ、残り時間も少なくなるなか、2点目を決めたのもユンカーだった。ユンカーの得点後、あと1点取って追いつけばアウェーゴールの差によって逆転で突破できると、選手たちの目の色が変わった。

 その後、後半アディッショナルタイムに劇的ゴールを決めた槙野も、当時、「ユンカーの2点目のゴールがあったからこそ、逆転の望みをつなげられた」と話していた。ここぞという時にチームを救えるのは、ストライカーとしてさすがの仕事ぶりだった。完全復活を誓うユンカーが、次戦も値千金のゴールを見せてくれるか。

 

■試合結果

浦和レッズ 1―1 セレッソ大阪

 

■得点

12分 キャスパー・ユンカー(浦和レッズ)

66分 山田寛人(セレッソ大阪)

  1. 1
  2. 2