■ソン・フンミンを封じ込めた見事な守備
冨安も守備の一員としてチームに大きく貢献した。相手チームのエースである孫興民(ソン・フンミン)と対峙して完封してしまったのだ。冨安のマークの前にソン・フンミンが突破を諦めてバックパスに逃げる場面が何度もあった。
この右サイド(トッテナム側の左サイド)の守備はそれほど容易なものではなかったはずだ。つまり、ソン・フンミンはタッチライン沿いでプレーするだけでなく、内側のレーンに入ることが多く、大外からは左サイドバックのセルヒオ・レギロンがオーバーラップを仕掛けてくるから1対2の場面もあった。だが、冨安はそんな場面でも安易にタックルを仕掛けたりせずに内側を走るソン・フンミンとレギロンの位置を確認してパスコースを切りながら相手の攻撃を遅らせることに成功。そのクレバーさを見せつけたのだ。
さらに、冨安は攻撃参加する場面も多く、右サイドの攻撃を組み立てた。デビュー戦となったブライトン戦の前半にはペナルティーエリアに入り込んでアクロバティックなジャンプボレーを見舞うシーンまであったし(相手との接触でバランスを崩してしまったが)、ゴールを奪う日も遠くあるまい。