■MNMの起用はビッグマッチでも可能だろう
耐え続けたPSGは74分、低い位置でボールを持ったヴェラッティが、シティのプレスが甘くなったところを見逃さず持ち上がって時間を作ると、ムバッペが全速力でディフェンスラインを引っ張ったところで右のメッシへパス。
ハーフウェイラインからドリブルを開始したメッシの外を、こちらも全速力でハキミが追い抜く。ハキミへのパスという選択肢ができたことでメッシへの寄せがなくなり、背番号30はそのままバイタルエリアに進入。センターバックの手前に駆け込んだムバッペとのワンツーから左足でゴールを奪った。
ヴェラッティの判断から、ムバッペの献身とメッシとのコンビネーション、サイドバックの強烈な攻め上がり、と、またしても過去とは違う姿で2-0とし、勝利を決定づけた。
その後も、ネイマールが守備に走り、メッシがフリーキックの壁の下で寝転がる役割を担い、と最後まで守りきり、パリは大きな勝利を手にした。
シティ相手に完封できるならば、MNMの起用はビッグマッチでも可能だ。
この試合で見せた攻撃パターンが、今後のベースになっていくだろう。ムバッペのゴールが生まれるようになれば、相手はいよいよ手が付けられなくなる。メッシは試合後のインタビューで「(MNMは)一緒にプレーすればするほど、より良くなる」と明るい未来を感じさせた。そして同時に「重要なのは、勝利し、成長し続けることだ」とも語った。勝利が成長や改善を促進してくれる。この1勝の持つ意味も、今後への効果も大きいものだ。
そして、CL制覇というクラブの悲願を成就させるカギを握るのは、ブラジルの10番でもアルゼンチンの10番でもフランスの10番でもなく、165cmの小さなイタリア人だ。
試合後、ペップ・グアルディオラ監督は「並外れた選手だ。私は恋をしているよ」と笑って讃えた。
■試合結果
パリ・サンジェルマン 2-0 マンチェスター・シティ
■得点
7分 イドリッサ・ゲイェ(パリ)
73分 リオネル・メッシ(パリ)