■マルコの存在が大きかった
もちろん、3人の動き方が整理されてきた、という時間が解決した部分があるのは間違いないし、強い相手の前ではいつもより献身的になれる、というのもある。そして、チームとしての約束事を整えたポチェッティーノ監督の手腕も見事だ。
しかし、変化がもたらされた最大のポイントは、マルコ・ヴェラッティの存在だった。
怪我から復帰したミッドフィルダーは、キックオフからシティが見せた猛烈なハイプレスに負けずにボールを持てることを示し、PSGの核となった。
プレスを受けても相手を剥がすことが可能な彼は、中盤からの組み立て、中盤からの持ち上がり、中盤での守備、と攻守両面でここまでのMNM揃い踏みの試合での問題を解消する活躍を見せた。彼がいなければ3トップはボールを受けに下がり、サイドバックは守備の不安を考慮して上がりを控え、ゲイェも思い切りの良い攻撃参加を見せることはできなかった。
ゴール後は、シティがさすがのプレーで試合を支配し続けたが、ジャンルイジ・ドンナルンマを中心とした守備陣が最後の部分で集中を切らさずに守りきった。その中でもヴェラッティの役割は大きかった。一時的に流れを切る役割を果たし、PSGを落ちつかせた。ゴールを決めたゲイェも対人守備で強さを見せ、今後MNMが揃う試合ではこの2人のミッドフィルダーが欠かせないものになることを強烈に印象付けた。