【チャンピオンズリーグ分析】メッシ初ゴールの「超ビッグゲーム・対マンC戦」で注目されていた「PSGの穴」【パリ・サンジェルマン対マンチェスター・シティ】メッシ、ネイマール、ムバッペ「MNM」でシティに完封勝利(1)の画像
チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦でPSGでの初ゴールを挙げたリオネル・メッシ 写真:AP/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ グループA第2節 パリ・サンジェルマンvsマンチェスター・シティ 2021年9月28日(日本時間28:00キックオフ)】

 リオネル・メッシネイマールキリアン・ムバッペ

 MNMと称されるゲームの世界のような3人揃い踏みは、9月15日のCL第1節ブルージュ戦で初披露された。

 その時の形は、3トップの右からメッシ、ムバッペ、ネイマール。しかし、誰もが名前だけでワクワクするロマンの塊であると同時に、大きな問題を露呈することになった。

 全員が守備をするのが当たり前、守備免除があっても1人、という現在のサッカーにおいて、MNMを使った場合に守備をどうするのかという懸念は、戦前からファンでさえも抱いていた。

 も、蓋を開けてみれば、前線からの守備が無い、という懸念通りの姿だった。プレスがかからないことで、相手はPSG陣内まで容易にボールを持ちこむことができ、多くの攻撃を受けることになってしまった。

 守備と引き換えに攻撃で圧倒する、ということはできなかった。

 守備に切り替わった時のことを考えて中盤やサイドバックの上がりを控えたことで攻撃時の怖さが大きく減った。中盤のからの上がりがないことでメッシやネイマールはハーフウェイラインまでボールをもらいに下がったが、そこからサイドの追い越しがないために、ただ攻撃の位置が低いだけになってしまった。

 MNMが前に進む時の選択肢は少なく、いくら個で上回っていようと、相手は組織として対応しやすかった。特に右に配されたメッシが中央に寄った時には、ムバッペと2人で同じ場所にいるだけになってしまい、ボールを受けたとしてもムバッペは活きず、しかもその先の選択肢として右がないことはブルージュ守備陣を大きく助けた。

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