■逆転弾後にしたのは喜びのパフォーマンスではなく…
74分、交代を告げる電光掲示板に示された数字は「28」と「4」だった。つまり、センターバックに入っていた山村和也を下げて、ジェジエウを入れたのだ。このブラジル人DFは当然センターバックに入る。これで交代枠をすべて使い果たしたため、ベンチ入りしていたレアンドロ・ダミアンのこの日の出場はなし。最前線は知念に任されることとなった。
「出ている限りは足が持つ限り走ろうと思っていました」
こう振り返ったように、知念は走り続けた。その結果が、劇的な逆転弾だった。空高くジャンプすると、頭で豪快なシュート。しかし、歓喜のゴールを決めたものの、知念は倒れ込んだまま起き上がれない。
他の選手が祝福に訪れても「マジで痛いからやめて」と苦悶の表情に。喜びのパフォーマンスもできないまま、登里享平に足を伸ばしてもらった。
苦しみながらもチームを勝利に導いた背番号20の「あんたが大賞」受賞に、誰も文句はないはずだ。