■空港のセキュリティー対策は万全

 スケジュールを見ると、イスタンブールでの決勝の翌週の6月3日にはドイツ・ワールドカップに向けたアジア最終予選のバーレーン対日本の試合があるので、トルコ経由でバーレーンに行くことにして、CL決勝が終わってから1週間はイスタンブール観光に充てることにしました。

 当時、トルコはEU(ヨーロッパ連合)に加盟するために努力していました。今のレジエップ・エルドアン大統領になる前の、まだ民主的な政府だった時代でした。

 サッカーの世界ではすでにヨーロッパ(UEFA)の一部になっていましたが、政治・経済の世界でもヨーロッパと一体になることはトルコの国益にもなります。そこで、トルコ政府は、初めてトルコで開催されるCLの決勝戦を最大限に利用しようとしたのでしょう。イスタンブールのアタテュルク空港で入国審査を終えてから入国スタンプを見てみると、ちゃんと「入国目的:CL決勝」とトルコ語と英語で書いてありました。

 ミランのサポーターはヨーロッパ側にあるアタテュルク空港、リヴァプール・サポーターはアジア側にあるサビハ・ギョクチェン空港から入国させるなど、セキュリティーについてもトルコ政府はずいぶん気を使っていたようです(イスタンブールには2018年に新空港が開港しました)。

 試合会場となったアタテュルク・スタジアムは、2008年のオリンピック招致のために建設された7万6000人収容のスタジアムですが、イスタンブール市内からはかなりの距離があります。

 僕は旧市街のグランバザールやイスタンブール大学に近いケント・ホテルに泊まったのですが、CL関係の宿泊客も多かったらしく、ホテルからスタジアムまでの無料バスが利用できましたから、行きは気楽なものでした。

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