■名も実も取れなかったクーマンの【3-1-4-2】
クライフ、ルイ・ファン・ハール、フランク・ライカールトが基本布陣としていた【4-3-3】のシステムで勝つ。オランダ人監督であるがゆえに、ファンの中にはクーマンに対するそうした潜在的な期待はあるように見える。ジョアン・ラポルタ会長の口添えもあったようで、今季からクーマンは【4-3-3】を再び採用している。
だが、ビッグマッチでクーマン監督は再びシステムを【3-1-4-2】に戻した。バルセロニスタが最重要視する大会の入り口で、である。
クーマン監督にバルセロナで要求されているものは明確だ。タイトルの獲得である。
とりわけ近年、バルセロニスタが強く望んでいるのがチャンピオンズリーグ優勝だ。2014-15シーズンに制して以来、バルセロナは欧州の頂に立つことができずにいる。
バルセロニスタの願望は、リオネル・メッシが去っても変わらない。目指すのは、あくまでビッグイヤーの獲得なのだ。だが今季のチャンピオンズリーグのグループステージ開幕節では、バイエルン・ミュンヘンに0-3と完敗した。【4-3-3】でバルセロニスタの心をつかむより、【3-1-4-2】で実を取ることを選択しながら、まざまざと現実を見せつけられてしまった。