■指揮官を補佐する優秀なアシスタントコーチ

 もうひとつ、歴代のオランダ人監督の共通点がある。能力が高いアシスタントコーチの存在だ。
クライフ(カルロス・レシャック)、ファン・ハール(アンドリース・ヨンカー/ジョゼ・モウリーニョ)、ライカールト(ヘンク・テン・カテ)と優秀なコーチングスタッフに自らを補佐させた。現在のバルセロナにも、アルフレッド・スロイデルというオランダ人コーチがいる。

 クーマン監督とスロイデルコーチは、2年前の夏に偶然出会った。イビサ島でバカンスを過ごしていた2人はたまたま知り合うと、すぐに意気投合した。その後、バルセロナで共に働くとは露知らず…。

「(ホッフェンハイムでユリアン・)ナーゲルスマン監督と一緒に働いた経験があり、そこで多くを学んだはずだ。バルセロナのアイデアと似たところがあるアヤックスでは、(エリク・)テン・ハーフ監督の下にいた。コーチングスタッフの間で、いろいろな意見があるのは良いことだ。我々の役に立ってくれる」。クーマン監督はスロイデルコーチについて、こう語っている。

 ライカールト時代には、テン・カテが戦術の一端を担っていたと言われている。その影響力は大きく、テン・カテがコーチングスタッフから抜けた後、バルセロナは2シーズン続けてラ・リーガで優勝を逃し、ライカールトは退任に追い込まれた。

 スロイデルコーチは現役時代に中盤の選手として活躍した。実は、かつて所属したNACでテン・カテの指導を受けた過去がある。運命の道をたどるように、彼もまたオランダからバルセロナに渡った。

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