■「大宮のメッシ」柴山は数字にこだわる

 プロ1年目の高卒ルーキーにも、豊かな未来を想起させるタレントがいる。大宮アルディージャの柴山昌也だ。

 デビューは鮮烈だった。水戸ホーリーホックとの開幕節で後半開始から投入されると、貴重な同点弾をゲットしたのだ。

 すでに紹介した高橋大悟ギラヴァンツ北九州)や川村拓夢愛媛FC)と同じように、柴山も左利きだ。ドリブル突破に定評があり、アカデミー在籍時は「大宮のメッシ」と呼ばれていた。柴山自身も「そう言ってもらえるようなプレーをしたい」とメッシを意識しており、映像を観て参考にしているという。プロ初ゴールを右足で決めたように、逆足のシュートも磨いている。

 4-2-1-3にシステムが固まってきた現在の大宮では、「3」の両サイドで起用されている。タッチライン際から仕掛けるウイングの性格が強く、身長161センチのサイズを考えると相馬勇紀名古屋グランパス)に重なるところがある。

 パスセンスにも非凡なところがある。ここまでは周囲に使われることが多いが、年上のチームメイトを使うプレーが増えていけば、三好康児(アントワープ)がプレーモデルになってくる。

 シーズン開幕当初は「一番の課題は守備です」と話していたが、試合を重ねることでディフェンスのプレーも整理されてきた印象だ。「相手のふところに入るのは得意」と話しており、チャンスクリエイトのクオリティーはすでに高い。あとは、数字を残したい。攻撃的なプレーヤーが舞台を上げていくには、得点やアシストといった数字が何よりのアピールになるからだ。       

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