【サッカーW杯最終予選】日本完敗の激論(1) オマーン戦“初戦の難しさ”「大迫が大迫じゃなかった」「攻めができなかったから今回は負けた」の画像
ワントップで先発した大迫勇也 写真:中地拓也

森保一監督が率いるサッカー日本代表が、2022カタールワールドカップ出場を懸けて臨んだアジア最終予選の初戦は、ホームで0−1という敗戦となった。2大会連続で初戦を落とした日本代表は、6チームホームアンドアウェーの総当たり全10戦を戦い抜き、ワールドカップ出場を手にすることはできるのかーー。取材歴50年を超える大住良之、後藤健生のサッカージャーナリストが縦横無尽に語り尽くす!

吉田麻也選手が試合後に「負けるべくして負けた」とコメントしていましたが、まさに絵に描いたような日本の敗戦。オマーン代表は最高のゲームをやりました。

大住「そうだね、オマーンは本当に良かった。日本が一生懸命ゲームを支配しようとしてはいたけど、打開されて、パスを繋がれる場面もあったし。日本が負けるのは不思議じゃない試合だった。長友佑都のヘッドが枠を捉えていれば、というシーンがあるにはあったけどね」

―完敗でしたか?

大住「完敗というか……相手にとっては完勝だったね。日本にとっては、課題がたくさん出た試合だったなって感じ」

後藤「僕は逆ですね。オマーンは、それなりには強かった。けど、日本がちゃんとできていれば問題ない相手なんで、だから日本が完敗したんだと思います」

大住「日本の悪いところが全部出ちゃった感じだよね。6月の試合では、良い時と悪い時があったけど、今回の試合では悪いほうばかり」

後藤「ここまで悪かったのは、なかなかないんじゃないかな」

大住「一番気になったのは、オマーンの守備のやり方。ディフェンスラインは4人いるんだけど、中盤から前は幅が20メートル~30メートルくらいしかなくて、その中にぎちっと人がいるんだよね。日本は、サイドへ出て斜めのパスを入れようとしたり、後ろから縦のパスを入れようとしたりするんだけど、みんなそこに引っかかるんだよね」

後藤「そう。後ろのディフェンスライン4枚は普通に開いているんだけどね。けど、あとの6人は本当に中央に固まっている」

大住「そのオマーンを見て僕が連想したのが、パチンコ台なんだよね。パチンコの釘がたくさん打ってあるところに球を入れようとして、日本はそこに全部引っかかっているし、跳ね返される感じ」

後藤「そういう意味じゃ、たしかにオマーンは良く守っていた。だけど、それを崩せないようじゃなあ」

大住「あそこでちゃんと中で収めて相手を集中させて、外を使って速い球を入れて勝負する。そういうような絵を描かないといけない。だけど、中で一度収めるというのが、ほとんどできていなかった。そうなると、厳しい試合になるよね」

後藤「前のほうの選手のコンディションがとにかく悪すぎた。もっと良い時だったら、速いパスを入れるにしても、そこで収めるにしても、ドリブルでつっかけてフリーキックやペナルティキックを貰うにしても、色んなことができたろうけど。けど、大迫勇也はボールが収まらないし……」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4