■コンディションで劣っても、スカウティングの時間は平等だったはずだ

 海外組の多いチーム編成の日本が、ホームの利を生かせないのは今回が初めてではない。厳しい日程のなかで戦いながら、勝利をつかんできた歴史がある。ブランコ・イバンコビッチ監督のもとでオマーンが1か月に及ぶ事前合宿を行ない、綿密なスカウティングをしてきたとしても、コンディションの違いだけでは片づけられない敗戦である。

 冨安健洋守田英正がチームに合流できず、南野拓実がケガで使えなかった。緊急事態に見舞われたのは事実だ。

 しかし、より根本的な問題は日本の姿勢である。

 コンディションでオマーンを上回ることはできなかったが、スカウティングで上回ることはできたはずである。最終予選の組み合わせが決まった7月1日の時点で、初戦の相手はオマーンに決まっていた。2次予選の映像を分析し、対策を講じる時間は2か月もあった。

 しかも、イバンコビッチ監督は戦い方を変えていない。4-4-2のダイヤモンド型とも4-3―1-2とも言えるシステムで、練度を高めてきた。

 日本が相手になると、いきなりやり方を変えてくる相手もいる。相手の出方を確認するために、立ち上がりは慎重になってもしかたがない。しかし、オマーンのやり方は想定内だったのだ。それにもかかわらず、決定機をほとんど作れずに敗れている。

 スカウティングは十分だったのか。日本の特徴を丹念に分析し、大迫勇也に起点を作らせず、鎌田大地にも仕事をさせず、攻撃を機能させなかったオマーンとは、あまりに対照的だ。準備不足と言われてもしかたがない。

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