■8月15日/J1第24節 名古屋グランパス1-0湘南ベルマーレ(豊田ス)
互いに無得点で迎えた74分のことだった。本来、試合に出場するはずではなかった選手が送ったCKを、4日前までチームに所属していなかった選手がゴールに変えた。その一瞬には、名古屋に訪れた僥倖と、浮上への可能性が凝縮されていた。
本来ならば、「泣き面に蜂」となるはずだった。
7試合ぶりの勝利を目指す名古屋が、不測の事態に見舞われた。先発メンバーに組み込んだガブリエル・シャビエルが、試合前のウォーミングアップ中に負傷。急きょのメンバー変更を強いられたのだ。
G・シャビエルが入るはずだった4-2-3-1のフォーメーションのトップ下には、ベンチスタートのはずだった阿部浩之が入った。1つ空くことになったベンチの席には、本来メンバー外になるはずだった相馬勇紀が「繰り上がり」で入ることになった。
阿部は今季リーグ戦5試合、わずか140分間しかピッチに立っていなかった。メンバー入りは7試合ぶり。残念ながら、低調なチームの中で自らも存在感を示せない。ハーフタイムを終えてもピッチに立っていたものの、後半開始から6分後、交代でピッチを後にした。