■試合を激変させた男

 試合を激変させたのは、本来試合に出る予定ではなかった男だった。メンバー外から急きょベンチに配置され、68分からピッチに立った相馬である。

 左サイドに入った相馬の対面には、前半はマテウスに仕事をさせなかった畑大雅が逆サイドからまわってきていたが、この19歳を手玉に取った。前半からエンジン全開で飛ばし続けて疲労している畑を、何度も置き去りにして左サイドをぶち破る。前半には1本もなかったCKを、立て続けに奪っていく。

 74分、自ら奪った左サイドからのCKを、相馬がセットする。本来、出場するはずではなかった選手が蹴った速い弾道の先にいたのは、北海道コンサドーレ札幌から移籍してきたキム・ミンテ。3日前に合流したばかりだというDFが、いきなりの先発起用に、まさかのゴールで応えた。

 本来ならば生まれるはずではなかったゴールは、僥倖という他ない。だが、この決勝点のシーンには、もう1つの大きな意味が隠されていた。

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