■「前田の出番がないくらい林が良かった」

大住「彼はなにしろ、動き惜しみをしない、そして戦い惜しみしない」

後藤「相手のディフェンダーが来ても平気で戦うからね」

大住「メキシコ戦の久保の先制弾にしたって、林があそこに走り込んでいるから、あのスペースができて、久保がシュートを打てた。本当は前田大然がもっと出てもいいとは思うんだけど、前田の出番がないくらい林が良かったよね」

後藤「やっぱりトップには、ボールを収めてタメを作ってくれる選手がいるのが一番だから。すると、どうしても前田は終盤に1点が欲しい時の飛び道具みたいな使い方になっちゃう」

―優勝候補のメキシコを倒したことについては?

後藤「やっぱりメキシコは強かった。そうやって聞いていたうえに、実際に戦ってみたら、本当に強かったからね」

大住「メキシコからしてみると、最初の立ち上がりでラッキーパンチを食らっちゃったな、って感じの試合だったと思う。後半はメキシコに支配されながらも、あの変な1ゴールで抑えたというのは大きいよね」

後藤「そうだね」

―変な1ゴールですか?

大住「変なゴールだよ。ああいうのが取られて、逆に決定的なものが取れなかったりすると大変なことになっちゃう」

後藤「日本もそういうことで得したことがあるしね、1997年のウズベキスタン戦とか。あの、岡田武史監督が『ひょっとしたらひょっとする』と表現した同点ゴール」

大住「呂比須ワグナーのヘッドを、三浦知良が触らずに流れてしまったやつね」

第5回につづく
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