■なでしこ本来の攻撃はまったく出せず

 同点ゴールは見事だった。だがこの得点のなかに、私はなでしこジャパンの深刻な問題点、「致命的欠陥」と言っても過言ではないものを感じていた。本来なら、パスをつなぎながら攻撃の人数を増やし、相手の守備を切り崩してチャンスをつくるのがなでしこジャパンの攻撃のはず。しかしこの試合では、そうしたシーンが皆無と言ってよかったのだ。

 その原因は明らかだ。この試合では、ほとんどコンビネーションプレーを発揮させてもらえなかったからだ。カナダは日本のDFラインに無理にプレスをかけることはなかったが、そこからひとつ前に出し、攻撃の起点をつくろうとすると、パスの受け手に2人、3人が群がるように寄ってきてボールを奪った。日本の攻撃の多くは、そこで止まった。

 この試合の主審はブラジルのエジナ・アウベスバチスタ。世界有数の女性レフェリーで、昨年12月には、FIFAクラブワールドカップ、蔚山現代(韓国)対アルドゥハイル(カタール)の5位決定戦で主審を務めている。男子の試合である。もちろん、ブラジル国内では、日常的に男子の試合でピッチに立っている。カナダの強いボディーコンタクトで日本選手が倒れてもプレー続行をうながす「強さ」は、ごくまっとうなものだったが、小柄な選手が多い日本にとってはつらいレフェリングでもあった。

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