■古き良きアメリカを満喫

 1930年代に「マイアミ・デコ」とも呼ばれる“アールデコ”様式の洒落たビルが次々と建てられた一角です。1937年に完成したという、レトロな小さなホテルのバーでカクテルなんかを一杯やるだけでも、気分はすっかり古き良きアメリカです。

 そして、目の前には有名なマイアミビーチが広がっています。

 日本対ブラジルの試合がある7月21日の朝も僕はビーチに出かけました。5ドルでビーチチェアを借りられるので(時間無制限)、そこに寝そべってビーチを満喫したのです。で、満喫はしたのですが、「せっかく5ドルも払ったんだから」と貧乏根性丸出しでさらにビーチで粘っていました。そのためすっかり日焼けしてしまい、火照った体のまま僕はバスで会場のオレンジボウルに向かいました。

 7万人以上を収容する古くて伝統のあるアメリカン・フットボールのスタジアムです。

 まず16時から女子の中国対スウェーデンの試合があり、当時はアジア最強だった中国が2対0でスウェーデンを破りました。

 女子サッカーはこの大会で初めてオリンピック種目となり、まだ「なでしこ」などとは呼ばれていなかった日本女子代表も参加。まだ17歳だった澤穂希さんや28歳の高倉麻子さんも出場していましたが、3戦全敗に終わりました。

 さて、日本とブラジルの試合は18時30分にキックオフ。ブラジルには23歳のロベルト・カルロスや19歳のロナウドがおり、そのうえオーバーエイジとしてアウダイール、ベベト、リバウドを招集。監督は選手としても監督としてもワールドカップ優勝経験のあるマリオ・ザガロ。そのままワールドカップに出ても優勝を狙えそうなチームです。

 一方の日本は世界レベルの大会はほとんど初めての出場。「とうてい勝ち目はない」と誰もが思っていました。

その2につづく
PHOTO GALLERY アトランタ五輪準々決勝のチケットなど旅の思い出
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