■久保とペドリが持つそれぞれの武器

 同じバルセロナの素養を持つ久保とペドリだが、プレースタイルはまったく異なる。

 ペドリはインサイドハーフを主戦場とする。少し前の時代であれば、「トップ下」に入るタイプの選手だ。ドリブル、パス、ボールキープと、オン・ザ・ボールの高い技術を備えている。だが、何より非凡さを感じさせるのは、そのサッカーセンスだ。スペイン代表の黄金時代を支えたアンドレス・イニエスタと比較されるのも納得のプレーヤーである。

 ただし、ペドリは「攻撃」の選手に終始しない。”走力”が、彼をトッププレーヤーたらしめている。スペイン代表のルイス・エンリケ監督、東京五輪へ招集したルイス・デ・ラ・フエンテ監督、クラブで定位置を与えたロナルド・クーマン監督がペドリを信頼するのは、走れるからである。EURO2020では、大会出場選手全体の中でも、最も走行距離が多い選手の一人だった。

 一方、久保の武器はドリブルだ。ただし、「俺が、俺が」というタイプのドリブラーではなく、個人で突破する力を持ちながら、周囲と連係する能力も優れている。U-24日本代表では【4-2-3-1】の2列目に入り、左右のハーフスペースを巧みに使う。特に、堂安律とのポジションチェンジとコンビネーションはスムーズで、観る者を魅了するプレーを披露する。

 また、久保はビジャレアルとヘタフェでの経験を経て、少ないタッチ数で局面を変えることができるようになった。久保のワンタッチ・ツータッチで、チームが相手のプレス網を回避する場面は確実に増えている。端的に言えば、久保は非常にタフな選手になった。

PHOTO GALLERY ■EURO出場全6人が先発か? 17日の日本戦のスペイン代表予想布陣■
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