【J1分析】浦和、“鬼門”破れず敗戦(2)2試合連続でノーゴール…MF小泉「生命線の僕が良いプレーをしないと」の画像
浦和のMF小泉佳穂 撮影:中地拓也
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■7月10日/J1第22節 大分トリニータ浦和レッズ (昭和電工)

 J1第22節は、東京オリンピック開催による中断期間前の最後の試合となった。10日に行われた大分トリニータと浦和レッズの一戦は、ホームの大分が先制点を守って逃げ切り、試合は1-0で終了した。浦和は2戦連続ノーゴールとなり、4試合ぶりの黒星を喫した。試合前の順位で5位につけ、ACL出場圏も目前に迫っていた浦和だったが、上位との差を詰めるには至らなかった。

 試合開始直後から、前線から激しくプレスをかける大分に苦しめられ、浦和は細かいミスが続いた。前半4分には相手のショートカウンターから崩されると、相手をフリーにしてしまい、先制点を献上。前半はそのまま大分のペースで試合が進んだ。

 0-1のまま迎えた後半はシステムを変更して修正を図るものの、決め手を欠き、結局、追いつくことができないまま、0-1で敗れた。

 浦和は第18節の湘南戦の敗戦以来、4試合ぶりの黒星となったが、実はその湘南戦でも今節と同じような失点シーンがあった。ビルドアップやバックパスのミスを自陣で湘南に拾われると、ショートカウンターから相手に一気に攻め込まれた。最終ラインでボールを奪われて数的優位を作られたまま、守備の対応が遅れて、この試合では3失点を喫した。細部でのミスが目立ち、相手のカウンターを誘発する原因になっている。

 湘南戦以降、こうしたミスは改善されていたように思われたが、ここへきてまたしても同様の場面が見受けられた。ボールを保持するというスタイルは確立されてきたが、カウンターを狙う相手への対応にはまだ不安が残る。

 さらに、前節の仙台戦と今節を比較すると、仙台戦はボール支配率と比例して、何度も相手ゴールに迫りチャンスを演出したが、結局、無得点に終わった。一方、今節の大分戦においては、ポゼッションは仙台戦とさほど数字は変わらないものの、むしろ相手にボールを握らされるような展開になり、フィニッシュまで持ち込めなかった。決定機の数では遥かに仙台戦の方が上回り、今節はチャンスらしい場面もほとんど作れなかった。

 いずれにしても、浦和はこれで2試合連続ノーゴール。降格圏に沈む2チームを相手にここで一気に勝ち点を積み上げたいところだったが、苦渋を舐める結果となった。

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