■視野の広さや試合を理解する力に優れたサカ
12分のスターリングのゴールも、自陣の低い位置でボールを受けたサカが対面したチェコの選手を1人かわして加速したことから始まった。この場面でそうだったように、彼のドリブルはスペースからスペースへ運ぶだけではなく、まず1人かわす、ということが含まれることが特長だ。
また、そのドリブルもライン際だけでなく内側を進むことができる。それは、その後の展開の選択肢を無数に広げることになる。球離れも良く、突き進んでいる方向以外もしっかり見えている。その、ドリブルをする場面以外の自身の動きにも表れている。その部分こそ彼の強みだ。
たとえばゴールシーンで、スターリングの手前、エリアの中央に走り込んでヘディングしようとしたのはサカだった。23分にルーク・ショーが左サイドでオフサイドになってしまった場面でも、ペナルティエリアの中央に走り込んでいたのは、スターリングでもハリー・ケインでもなくサカだった。