■3回も骨折した足首
まだ、ではなく、もうそういうプレーは本人の選択肢にないのだろう。3度も骨折した足首は以前と同じようにはいかない、ということを本人も口にしている。
しかし、それでもベルギー代表はアザールを選び、10番を与え、4試合を通じたコンディション向上計画を立て実行してきた。
それはなぜか。
アザールは以前とは違う形で輝けることを目指し、周りはそれに期待しているからだ。
ベテランFWがボックス内のポジショニングと一瞬の動きでもう一度輝くことがあるように、試合を見るとアザールが以前とは違う輝き方を目指していることがわかる。
いつでもどこからでもドリブルをして相手を押し込むということは叶わなくても、前線でのフリーランや効果的なポジショニング、パス、長い距離ではなく限定的なドリブル、そういうものでゴールに絡む働きをすることはできる。
デンマーク戦ではパス交換の流れからワンタッチでケビン・デ・ブライネのゴールをアシストしたが、その時のアザールは動く側ではなく止まっている側だった。