■19歳のサイドバックが2試合連続アシスト

 栃木を2対0で下した19節のアウェイゲームでは、19歳の加藤聖が躍動した。プロ2年目の左サイドバックは、30分に都倉賢のヘディングシュートをアシストした。プロ初先発となった18節の松本山雅FC戦でも、左サイドからのクロスで都倉のヘディングシュートを導いている。

 73分には追加点を生み出した。右CKからオウンゴールを誘発したのだ。

 試合後には「チームが勝てたことが一番嬉しいです」と笑顔をこぼした。「自分の特徴をどんどん生かして、チームが勝っていければと思っていたので、勝利に貢献できたのは嬉しいです」とまた笑みを浮かべる。

 左足のキックは自他ともに求めるストロングポイントだ。「クロスの回数を増やして質も上げていきたい。チームは5連勝で勢いに乗っているので、次も勝って連勝を伸ばして、最終的にはJ1に昇格できるように頑張っていきたいです」と、19歳は真っすぐな野心を胸に抱く。

 長崎の左サイドバックは、亀川諒史が牽引するポジションだ。16年リオ五輪代表の27歳は、19年の加入からレギュラーを務めてきた。しかし今シーズンは、5月15日の第14節で右足ハムストリングを痛め、全治6週間と診断された。亀川の不在時はユーティリティ性の高い米田隼也が起用されることが多かったが、松田監督は加藤を抜てきし、プロ2年目のレフティは指揮官の起用に見事に応えた。

 フレッシュなタレントの台頭は、チームを活気づかせる。左センターバックに定着したプロ3年目の江川湧清に続いて、加藤はポジション奪取へアピールを続けていく。

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