■ロドリゲス監督の求めるサイドバック像は?
さて、そんな酒井の加入によって浦和レッズのサッカーにはどのような変化が生まれるのだろうか?
今シーズンから浦和を率いるリカルド・ロドリゲス監督は戦術家である。
昨シーズンは徳島ヴォルティスを率いて可変システムのモダンなサッカーを実践。徳島をJ2優勝、J1昇格に導いてからJ1のビッグクラブである浦和にやって来た。
その徳島のサッカーの一つのポイントが右サイドバックの藤田征也(あるいは岸本武流)だった。4バック・システムのサイドバックが攻撃時には高い位置を取って攻撃の幅を広げる流動的なサッカーだった。
活動の舞台を浦和に移した2021年シーズンでもそうした戦術的なサッカーが期待されたが、今のところまだチームの完成度は上がっていない。
今シーズンの浦和は、右サイドバックとしてはこれまで左を主戦場としてきた宇賀神友弥が起用されることが多く、試合によっては宇賀神がタッチライン沿いをオーバーラップしたり、インサイドハーフ的なポジションを取ったりすることに挑戦しているが、必ずしも機能はしていない。宇賀神は慣れているポジションが左であるうえ、従来型のサイドバックだからだ。
そんな中、左サイドバックは山中亮輔が使われることが多かったが、最近は明本考浩が起用されることもある。これまで、MF起用が多かった選手だ。
リカルド・ロドリゲス監督としては、戦術的な幅を持ったサイドバックがほしいところなのだろう。