■作戦タイムが功を奏した
そして前半アディショナルタイム、浦和は大きなサイドチェンジからペナルティエリア中央に走り込んでいた伊藤が決めてついに同点に追いつくことに成功した。これは「練習からずっとやってきた形」(伊藤)で、この時点ですでに自分たちのやり方を出せるようになるまで修正が進んでいたということだ。
そしてハーフタイム、ロドリゲス監督は当然のように更なる整理と修正を加えた。柴戸や伊藤が最終ラインに落ちてビルドアップを好転させたりアンドレス・イニエスタや山口に攻守でチャレンジすることができるようになったりと、中盤で自分たちのペースを作れるようになると神戸と一進一退の攻防を繰り広げた。
最終的にはハイブリッド芝がもたらした幸運をものにして勝利した形になった浦和だが、前半飲水タイム、ハーフタイム、後半飲水タイム、と試合の中に存在する3度の作戦タイムを経る毎にどんどんチーム状態を上向けていったことがその運を引き寄せたのではないか、と思えるほどの高い修正力だった。