■ギリギリで間に合った鬼木監督の交代策

 川崎フロンターレは選手層の厚さという意味でも抜きんでている。昨シーズンの過密日程も、その選手層の厚さで乗り切って優勝を果たした。鹿島戦でも、決勝ゴールは後半64分に交代で出場していた長谷川と直前にピッチに入ったばかりの小林のラインで生まれている。そして、鬼木達監督もその分厚い選手層をうまく生かしてここまでチームをマネージメントしてきた。

 だが、それでもやはり選手の序列ははっきりしている。

 好調の鹿島相手の重要な試合に、鬼木監督は現時点での「ベスト」と思われる11人をピッチに送り込んだ。GKはチョン・ソンリョン。DFは右から山根、ジェジエウ、谷口、登里。MFはジョアン・シミッチをアンカーにインサイドハーフに田中と旗手。そしてアタッカーは右が家長で左に三笘。ワントップにレアンドロ・ダミアン。これが、現時点でのベストメンバーであることは間違いない。

 そして、後半に入って選手たちの疲労が明らかになってきたにもかかわらず、鬼木監督はなかなか交代のカードを使わなかった。ドリブルが空回りしていた三笘を64分に長谷川にチェンジしたが、2、3枚目のカード(登里 → 車屋紳太郎。レアンドロ・ダミアン → 知念慶)を切ったのは87分。そして、最も決定力のある小林を入れたのは、なんと90+3分だったのだ。交代のタイミングは明らかに普段より遅かった。

 やはり、鬼木監督にとっても「ベストメンバー」の11人に対しての信頼度は相当に高いものがあるのだろう。

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