CL決勝の「ゲームチェンジャー」(1)「人材」のマンC、「柔軟性」のチェルシー、それぞれの「変わり身」の策の画像
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 今シーズンのヨーロッパフットボール界最強のチームが決まる。現地時間5月29日(日本時間5月30日午前4時)、UEFAチャンピオンズリーグ決勝が行われるのだ。

 対戦するのは、9シーズンぶり2度目の戴冠を目指すチェルシーと、初優勝を狙うマンチェスター・シティだ。普段から顔を合わせ、互いをよく知るイングランド勢同士の激突だが、特別な一戦にどんな手を打ってくるのかは見ものだ。この両チームには、タイトルの行方を大きく左右する「ゲームチェンジャー」がいろいろな場所に潜んでいる。

 今季のプレミアリーグでマンチェスター・シティは、2位のマンチェスター・ユナイテッドに12ポイント差をつけて優勝した。シーズン途中に監督交代があったチェルシーは、最終節で4位を確定し、来季のCL出場権を獲得した。

 こうした状況もあり、ベッティングのオッズを見ても下馬評が高いのはマンチェスター・シティだ。世界中から集めたタレントに、名将ジョゼップ・グアルディオラが魅惑的なサッカーを叩き込んだのだから、期待が高まるのもうなずける。

 両チームとも、基本的にはボールを保持して試合をコントロールする戦い方を好む。しかもシティは、その筋道を変幻自在に変えながら押し通すのだ。それを可能にするのが、多様な人材だ。

 例えば左サイドバック。オレクサンドル・ジンチェンコは本来、中盤中央でプレーしてきたキャリアを持つ選手らしく、アンカーの横で「偽サイドバック」として振る舞える。対してバンジャマン・メンディは生粋のサイドバックで、果敢なオーバーラップで攻撃に厚みを出す。さらに右サイドバックのジョアン・カンセロも左にまわることが可能で、やはり偽サイドバックとしてプレーが可能だ。

 前線でも、つかみどころを絞らせない選手たちがいる。攻撃的MFのベルナルド・シウバは、CL準々決勝のドルトムント戦、パリ・サンジェルマンとの準決勝では、CFとしても起用された。ボールを受けに中盤深くに降りたかと思えば、突然ゴール前に現れる。ケビン・デブライネも捕獲不可能。そうした個性を活かしながらプレーを練り上げていくシティを縛り上げるのは、まさに至難の業となる。

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