現地時間5月29日、ヨーロッパのナンバーワンクラブが決まる。UEFAチャンピオンズリーグ決勝が開催されるのだ。
今回は、イングランド勢の対決となった。9年ぶり2度目の戴冠を狙うチェルシーと、初優勝を目指すマンチェスター・シティが頂点を争う。
世界最強チームを決める一戦と言っていい、このCL決勝。そこには、もうひとつ別の側面も見て取れる。カネで成り立つパワーゲームだ。
両クラブとも、これまで膨大な金額を費やしてチームを強化してきた。「先駆け」はチェルシーである。ヨーロッパ全般を見渡しても、今世紀に入ってからの個人の財力を背景としてのチームづくりの先駆者だったと言っていい。
すべてが変わったのは2003年夏。ロシア人の大富豪ロマン・アブラモビッチによる買収で、大きな負債を抱えていたクラブは、一気にメガリッチへと生まれ変わった。
インテルから1680万ポンドでエルナン・クレスポ、マルセイユから2400万ポンドでディディエ・ドログバといった実力者たちを買い集め、2004-05シーズンにはプレミアリーグを制している。当時のレートは1ポンド=190円から200円で、現在の154円前後で計算しても、クレスポに25億円以上、ドログバに37億円近くを投じたことになる。