■「常勝ユナイテッド」も今は昔

 左サイドを封じられたら右サイドからクロス、というのは攻撃が改善しているように見えるが、実際は相手の想定通りでしかないし、決勝という舞台で相手が引き分け狙いになるというイレギュラーな状況を想定していなかったために形を崩して強引に攻めるということができなかった。

 セビージャでヨーロッパリーグ3連覇を達成した経験があるエメリ監督と今のユナイテッドの差は、決勝ならではの振る舞い方ができたかどうかだった。

常勝常勝ユナイテッドという時代が遠い昔になってしまったことを改めて感じさせた今回の決勝戦だったが、過去と比べるのではなく、今のユナイテッドにとってはあくまでも復活の兆しを見せたシーズンだった、とするほうがふさわしいだろう。

 ワン=ビサカやスコット・マクトミネイらの新しい時代のチームが決勝という舞台を経験した。後で振り返ってみれば、そういうことになる年かもしれない。

■試合結果

ビジャレアル 1―1 マンチェスター・ユナイテッド

PK戦11-10でビジャレアルが優勝

■得点

29分 ジェラール・モレノ(ビジャレアル)

55分 エディンソン・カバーニ(マンチェスター・ユナイテッド)

  1. 1
  2. 2
  3. 3