■ビジャレアルの狙い通りの展開に

 ビジャレアルの攻撃がセットプレーに活路を見出していることは早い時間から明らかだった。15分のコーナーキックではがら空きの大外を使ってユナイテッドを慌てさせている。29分の先制ゴールはジェラール・モレノがヴィクトル・リンデロフの背後から入って行く形で決まり、セットプレーでの様々なパターンを練ってこの試合に臨んでいたビジャレアルの狙い通りの展開になった。

 あくまでもいつも通りに戦おうとすることが第一にあり、上手くいかなくなった時に別の個を使うという選択をするユナイテッドと、この試合のためだけに戦い方を変えてきたビジャレアル。これは2チームの戦力差からすれば当然の展開ではあるが、前半を1-0で終えた時点でエメリ監督の術中に嵌ってしまっていた。

 55分、ゴールを決めたエディンソン・カバーニは即座にボールを回収し、まだ負けているかのようにすぐに自陣へと戻った。1点をリードしていたビジャレアルは既に負けなければいいモードになっており、事故のような形で同点ゴールを奪えたものの、ここで一気に押し切らなければこのままずるずるいってしまう、という選手の実感がそうさせた。そしてその予感は的中してしまう。

※その2へ続く

 

■試合結果

ビジャレアル 1―1 マンチェスター・ユナイテッド

PK戦11-10でビジャレアルが優勝

■得点

29分 ジェラール・モレノ(ビジャレアル)

55分 エディンソン・カバーニ(マンチェスター・ユナイテッド)

  1. 1
  2. 2
  3. 3