■決勝トーナメント初戦突破を目標に
もちろん、日本は比較的レベルの低いアジア予選を突破すればワールドカップに出場できるので、ヨーロッパや南米の国と同列に論じるわけにはいかないが、日本は単に出場しただけでなく、6つの大会すべてでグループリーグ突破を果たしているのだ。そんな国は日本以外には存在しない。日本の「全大会で決勝トーナメント進出」という成績は、とりあえず世界に誇っていいものだ。
しかし、日本は2018年に開催された女子Uー20ワールドカップで優勝を飾った以外、他の5つの大会では決勝トーナメントの最初のラウンド(ラウンド16もしくは準々決勝)で敗退しているのも事実だ。
2018年のロシア・ワールドカップでも、日本代表はグループリーグ突破を果たし、ラウンド16で世界最強の一角ベルギーと大接戦を演じたものの逆転負けを喫した。2019年の男子Uー20ワールドカップ(ポーランド開催)のラウンド16では韓国相手に優勢に試合を進めながら0対1で敗れ、Uー17ワールドカップ(ブラジル開催)ではグループリーグを2勝1分という好成績で通過したものの、やはりラウンド16でメキシコに完敗してしまった。
つまり、あらゆるカテゴリーの世界大会で、日本は決勝トーナメント初戦を突破できないでいるのだ。だから、日本のサッカー界にとってはどの大会でも「決勝トーナメント初戦突破」が目標となる。オリンピックでも日本代表は「準々決勝突破」を目標に定めるべきだろう。そして、ここで準々決勝突破を成し遂げておけば、将来、他のカテゴリーの大会(たとえば、カタール・ワールドカップ)での上位進出にもつながっていくことだろう。