サッカー五輪代表「東京で金メダル」への道 (1)代表全カテゴリー共通の「壁」の画像
久保建英 撮影/渡辺航滋

森保一監督は、東京オリンピックの組み合わせ抽選会のあと、「目標は1次リーグ突破ではなく金メダル」と語った。A組の日本は、7月22日に南アフリカ、25日にメキシコ、28日にフランスと、いずれも強豪国とグループステージを争う。各組上位2チームが戦う準々決勝に勝てばベスト4で、決勝戦か3位決定戦に進むことができる。各国の準備状況はまだ聞こえてこないが、大会は刻々と近づいている。本稿では、日本代表はどのように戦えば金メダルを獲得することができるのかを考えた。

■6月の2試合で最終メンバーを選考

 東京オリンピックの開幕まで残り約2か月となった(開会式は7月23日。女子サッカーの初戦は同21日。男子は同22日)。

 東京大会が本当に開催されるのどうか、現時点では何とも言えない状況にある。というより、僕は東京大会は延期もしくは中止とすべきだと思っている。選手と関係者を含めて10万人近くが来日する大規模イベントは、現在の状況を考えた時にあまりにリスキーだ。スポーツのイベントは、そんなリスクを冒してまで開くべきものではない。

 幸い、来年のサッカーのワールドカップは11~12月開催なので、もしオリンピックをもう1年延期してもワールドカップと時期的に競合することはない。可能なのであればもう1年延期すべきだ。1年後なら、日本政府がいかに不手際であったとしても、さすがにワクチン接種が進み、通常開催も可能になっていることだろう。

 ただ、ここでは開催の可否問題については触れずに、オリンピックで日本は何を目標にどのように戦うべきかを考えてみたい。もっとも、どこの国もまだメンバーが決まっていないので戦力分析などはできないのだが……。

 さて、オリンピックのサッカー競技には男子のUー24日本代表と女子日本代表が出場する。6月前半にはUー24日本代表と女子代表が2試合ずつの強化試合を行うことになっており、男子Uー24代表は6月シリーズからいわゆるオーバーエイジも加えると伝えられている。6月の強化試合が終わればメンバーが発表され、いよいよ本番に向けて最終段階の準備が始まることになる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4