■保守的な姿勢はどうしたことか

 不可解なのはバルセロナの戦い方だ。

 首位に立っているアトレティコとしては、最終的には引き分けでも納得できる結果であろう。もちろん、レアル・マドリードとの争いもあるので、勝点3がほしかっただろうし、この日の試合はアトレティコの方がシュート数もチャンスの数も多かったので余計に勝ちたかっただろうが、アウェーでのバルセロナ戦でのドローはけっして悪い結果ではない(翌5月9日の試合でレアルもセビージャで引き分けたため、アトレティコは首位をキープすることに成功した)。

 だが、バルセロナは勝点2の差で3位というポジションにおり、この試合を含めて残り3試合で逆転を目指さなければいけなかったのだ。ホームでアトレティコを迎えた「シックスポインター」ともいえる直接対決では、絶対に勝利が求められる状況だったはずだ。

 もちろん、サッカーというゲームはどんなに強いチームが、どれほど論理的に攻撃をしかけても点にならないときにはゴールは生まれない。だが、バルセロナの攻撃はそれほど積極的ではなかった。勝利のためにリスクを冒して仕掛けたようには見えなかった。

 かつては、あれだけの攻撃力を持ち、攻撃サッカーで世界を魅了したクラブなのに、この保守的な姿勢はいったいどうしたものだろう。あの攻撃的なメンタリティーは、もう今のバルセロナにはないのか……。

※第2回につづく

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